クラウドストレージ

日本ではなく、中国のお話です。

2016年の3月から4月にかけて、中国で有力な無料のクラウドストレージが続々と終了宣言をしているんです。
ファーウェイの「華為網盤」、大手ネット企業である騰訊(Tencent)の「騰訊微雲」、微博やポータルサイトを運営している新浪(Sina)の「新浪微盤」、日本ではキングソフトで知られる金山の「金山快盤」、クラウドストレージ専門の「115網盤」、UCブラウザーを作成している「UC網盤」が、2016年6月30日で一斉にサービスを終了することを発表したんです。

ちなみに、何故だかわかりませんが、日本でもウィルスやバックドアでお騒がせしている百度が提供する「百度雲」(中国のクラウドストレージ運営ではトップシェア)のサービスは継続されます。

なぜ、一斉に多くのクラウドストレージサービスが終了するのかを中国のメディアが伝えているところによると、中国政府当局の意向があるそうなんです。
クラウドストレージが海賊版コンテンツや、ポルノコンテンツ配信の温床となっており、ネットの健全化のため無料版をクローズし、ひいては有料サービスに誘導させて、ネット経済の健全化を目指す思惑があるそうです。

中国のネットユーザーにとってのクラウドストレージは、日本人にとってのそれよりもずっと身近な存在であり、ライトユーザーにも使われるサービスで、数千万単位のユーザーが利用しているため、クラウドストレージが何たるかがわかっている人が誰かしら周辺にいるので、取っつきやすいみたいです。
無料サービスですら、企業間競争の中で、TB単位で無料が当たり前となり、中国のインターネットは閉じた特殊な環境のため、国人向けに最適化されていて、スマートフォンやタブレットが利用されるようになった現在においても、中国人にとってはグローバルサービスに比べて使い勝手がいいみたいです。

個人だけでなく企業や組織まで、無料だからという理由で、ローカルにバックアップせず、無料のクラウドストレージだけでデータを保存する習慣があって、ネットユーザーの多くが、スマホ普及以前からパソコンで利用しているので、データ保存で一般的に利用される無料のクラウドストレージが突然利用できなくなるとなれば、これはネットユーザーや中小企業にとっては尋常ではない一大事なんです。

ユーザーとしては、無料のクラウドストレージに移行したいのでしょうが、このような状況ではいつサービスが終了するか分かりませんし、DropboxやGoogle Driveには、中国からはアクセスできません。
OneDriveにはアクセスできるのですが、中国では実用的に難しい遅さであり、また、いつアクセス禁止になってもおかしくありません。

では、日本国内に眼を向けた場合。

YouTubeやニコニコ動画などの動画配信サービスには、明らかに「著作権法違反」に当たるコンテンツがアップロードされているのが現状です。
また、そのコンテンツをFacebookなどのSNSサービスでシェアされたり、公開される方も散見されるのが現状です。

クラウドストレージにおいても、クリーンに使用されている方よりもグレーゾーンや違法行為に当たる使い方をされておられる方が多いです。

中国と同じようになるとは考えにくいですが、それでも、個別の注意勧告では間に合わない、また、イタチごっこになってしまいます。
そんな状況が続くようでは、いずれ、中国のような道を辿ってしまう事も考えられます。

有料サービスはいざ知らず、無料のサービスは、いつサービスが終了されてもおかしくありません。
無料で使用できる事は、それ相応のリスクを背負っている事をご認識いただき、データのバックアップをローカルや他ストレージに取得するなど、対策を講じる必要があると思います。

大切なデータであれば、尚の事。
今一度、データのあり方を見直していただければと思っています。

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