iPhoneかAndroidか

よく聞かれることの一つに「iPhoneとAndroidって、どっちがいいの?」という、なんともアバウトな質問があります。

・パソコンを使っているかどうか(WindowsかMacかを含む)
・トラブルの対処に比較的明るいほうか
・どんなアプリを使いたいか
といったように、いくつかの質問をして、アドバイスをするようにしています。

日本ではiPhoneユーザーが多いように感じる方もおられるかもしれませんが、世界のスマートフォンユーザー全体のシェアで考えたとき、圧倒的にiOSよりもAndroidのほうが大勢のユーザーを抱えているんですよ。
いまやAndroidユーザー数は14億を突破し、iPhoneユーザーとの差は開いていく一方なんです。

でも。
いまだにアプリ開発業界では「まずはiOS向けのアプリを出したのち、Android向けのアプリを作成、もしくは検討する」という意識が一般的なんです。
つまり、Androidで使用できるアプリは、iPhoneで使用できることが多いんです。
※もちろん、Androidで使用できるアプリのリリースが先であったり、場合によっては、Android(もしくはiPhone)でしか使用できないアプリも存在します。

その差の最大の原因は「iOSのアップデートが普及する速度」にあります。
2016年のWWDCで「iOS10」発表されました。そして、いざ今秋にiOS 10が正式リリースされると、そのリリースから数時間後には、非常に多くのユーザーが新バージョンのiOSを使い始めます。
2016年5月の時点で、現在の最新版となるiOS9のいずれかのバージョンにアップグレードして使っているユーザーは、全iPhoneおよびiPadユーザーの84%に達するとの情報もあります。

新しいアプリを開発する場合、もしiPhoneやiPadユーザーをターゲットにするなら、とりあえず最新のiOS9に対応してリリースしておけば、ターゲット全体の8割以上にリーチできてしまうことを意味しています。
この効率のよさこそが、なによりの開発者にとってのiOSの魅力になっています。

いっぽう。
現在の最新版となるAndroid Marshmallow(6.x)のいずれかのバージョンへアップグレードを終えて使っているユーザーは、全Androidユーザーのわずかに8%未満とされています。
ちなみに、もっとも多くのAndroidユーザーが使っているOSは、Android Kitkat(4.x)という、まったくアップグレードが進んでいない現状を露呈しています。

アプリ開発者にとっては、これは非常に不便な状態で、せっかく最新版のAndroid向けにアプリをリリースしても、ターゲット全体の1割にもリーチできない現状があります。
仕方がないので、1世代前、2世代前のバージョンまでサポートせざるを得なくなってきます。
それ以上に、セキュリティ面での影響は深刻で、基本的にアップデートを定期的に受け取れるNexusシリーズ以外のAndroidユーザーは、脆弱性が発見されてから、何か月も危険な状態にさらされたままになってしまっています。

どちらのモバイルOSにもメリットとデメリットがあり、アップル社がガチガチに管理しているiOSは、すばらしい速度でOSのアップデートも配信されていきますが、逆に、自由度が少ない(低い)という批判を浴びてきました。
一方、オープンソースで自由度の高いAndroidなのですが、あまりに各メーカーがOSをカスタマイズして手を加えすぎ、簡単には最新バージョンを配信できない問題を抱えています。

と、なんだかんだと書いてはきましたが、結局のところ「好きなほう」を選べばいいのではないでしょうか。

比較的、スマホ初心者でも使いやすいiPhone。
比較的、低価格の機種や、個性的な機種が存在するAndroid。

使用する内容や、使用したいアプリによって決めるのも一考でしょうし、性能や機能や見た目で決めるのも、これまた一考です。
機種代金などを考えると、そうそう機種を変更できるものではないので、すぐに飛びつくのではなく、多方向から見つめることも大切だと思います。

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